MovableTypeのモブログ化(1)
ブログの構築に非常に多く使用されているムーバブルタイプですが、どうしてもPC環境で使用するシステムという思い込みが強く、今まで携帯電話からの記事投稿に関して考えたことはありませんでした。ところが、先頃手掛けた案件にMovableTypeを導入とテンプレートのカスタマイズを行ったケースがあったのですが、その構築過程で、先方から『携帯からいつでも投稿することは出来ないだろうか?』という要求が出されました。
携帯電話から記事を投稿する「モブログ(Moblog)」は、モバイルとブログをあわせた(恐らく)日本独自の造語で、国内に存在する多くの無料ブログサービスでサポートされています。よくよく考えてみれば、MovableTypeでモブログをやりたいと言う要求は、それほど突飛なものではありません。普通にブログを使っている個人ユーザーからのニーズのみならず、例えば業務における出張や外出先から報告を行いたい場合、社内ないしは部門やグループ単位で使用しているMTによって構築された掲示板システム(Bulletin Board System)に対して即座に投稿を行って報告を行ったり、判断を広く求めるような用途も考えられます。ワークグループやプロジェクトチームなど、横のつながりが重要な組織での業務では、まずは現時点の状況を携帯で報告し、詳細な報告書は後日といった即時性が求められるかもしれません。
そう思って、MTのモバイル対応に関してまずは色々と調べてみましたら、いくつかモブログを実現するアプローチを発見することが出来ました。まずは、ウェブサービスで告知されている、携帯メールをブリッジしてXML-RPC APIで投稿を行うサービス。これは、そのウェブサービスにユーザー登録して、指定された書式で指定されたアドレスにメールを送信すると、MTに記事が投稿されると言うものです。こちらは利用が簡単そうですね。次に、MovableTypeが導入されているシステムと連携させる、PHPスクリプトやプラグインタイプのものがあります。こちらは、MTとの連携を組むのに設置やシステム関連の知識が要りますので、少々難しいと思えます。
さて、コンサルティングの立場からモブログ対応において考慮したい点は、どこにでも持ち歩けてデジカメも付いている携帯電話からの投稿は、やはり手軽さが身上だということでしょう。簡単に投稿できなくてはならないという要求からは、投稿記事の構造と操作性に関する背景が見えてきます。ブログを装飾する細かい書式などは不要で、文章と添付書類を関連付けて適切に処理することで記事が成立することを第一に・と割り切ってもいいかもしれません。投稿時にタグや書式などを色々と覚える必要があれば、面倒で利便性に欠くということです。同時に、携帯電話の入力インターフェイスを考えた場合、誰もが普通のメールを打つのと同じ感覚でサクサク投稿出来るようにしたいという要求も見えます。
冒頭に記述した当方が相談を受けた案件では、そのようなイメージから大まかな方針や仕様を合意にまとめました。次の段階からは、いよいよ技術コンサルティングと実装の計画を立てる必要があります。次回からは、その経過と納品までを備忘録としての記述を行いたいと思います。この案件については、当方一人で納品までをワンストップで行いますので、後々の資料になるように、全体を見渡せるまとまりのある記事群にしておきたいと思っています。