平成28年分の確定申告(e-Tax)とマイナンバー
平成28年分(2016年)分の確定申告をe-Taxで終わらせました。例年より早く済ませたのは、下記の理由によるものでした。
(1).マイナンバーカードが必要なのか?
(2).マイナンバーの記載が必要なのか?
テレビのニュースなどでは、例年とおり高橋秀樹さんが登場して確定申告の受付が告知され、『今回の確定申告からマイナンバーの記入が必要となります』と、確定申告にはマイナンバーが必要であるという報道を行っています。
果たして、申告書面へのマイナンバーの記載を行わないと申告書類は提出できないのか。そして、e-Taxにはマイナンバーカードが必須なのか。
まず、マイナンバーカードによる確定申告書類への電子署名について。自身の住民基本台帳カードの期限は2020年までとなっています。ですので、今回はこのカードを使用して電子署名を行うことができます。マイナンバーカードを取得すると、昨年更新したばかりのカード更新料が無駄になってしまいます。
※住民基本台帳カードは今後は発行されませんので、期限が失効する前にマイナンバーカードの取得が必要
次に、申告書面へのマイナンバーの記載義務について。税法上マイナンバーが今後使用されるという条項であり罰則規定はなく、本人から提出が行われる確定申告において必須である理由は特に見当たりません。
ただ、今後はマイナンバーを使用して税金や行政などの公的な処理・勤務先や金融機関におけるマイナンバーの提出などが行われるようになるため、自身のマイナンバーを確認して記載しないと申請や手続きができないと言うことにはなるでしょう。
今回、早めにe-Taxによる申告を行ったのは、上記2点がどうなのかを実際にe-Taxで提出してみて確かめたかったからです(事業主なので申告書Bとなります)。もしe-Taxでの提出が出来なければ、マイナンバーを取り寄せて紙の書面で出すつもりでいました。
結果的に、
(1).住民基本台帳カードで電子署名できた
(2).マイナンバーの記入がなくても、送信前チェックに引っかかることもなく送信できた
となりました。
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マイナンバーのメリットとしては、行政はじめとする情報を取り扱う機関の管理が簡単かつ正確になることがあげられます。入力などの事務処理そのものが簡単になりますし、単なる数字の羅列による検索は非常に簡単&高速で、マイナンバーと紐付けられているデータ(行政が管理しているデータ・金融資産のデータなど)を即時に取り出せます(権限次第ではいくつもの情報を取り出せるはずです)。
例えば…という想定ではありますが、納税状況の不透明さを調査するために、権利を委ねられた国税局の担当官がマイナンバーによって紐付けられている情報を全て取り出して照会することも可能です。
なにしろたった一つの数字であるマイナンバーと組み合わせられる情報は結構なものなので、マイナンバーの漏洩によって個人に不利益がないよう、行政や企業などによるマイナンバー情報の管理には、これまでの個人情報保護と比べ物にならない慎重さが求められると思われます。
悪用例としては、知識のない人を狙った住基ネット漏洩事件のような事例がありました。
そして、マイナンバーを使われる側の我々には、これといったメリットがないと思われます。「書類への記入などが簡単になりますよ」「行政手続きが簡単になりますよ」と言われても、カードを作ったり更新したりする費用も掛かるし、結局のところ足を運ぶ手間や本人確認などについてはこれまでとなんら変わらないでしょう。