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2008年12月 アーカイブ

2008年12月24日

サーバ移転しました

このブログが含まれるcbssのサーバを移転いたしました。移転環境でのテスト投稿を兼ねて、経緯などをまとめます。おそらく本年最後の投稿となるでしょう。

このサイトは以前からレンタルサーバで運用していますが、同時にMySQLデータベースもレンタルしていました。ただ、MySQLのサーバは自前(※一つのデータベースを多数のユーザーで共有する環境ではない、自分で管理する独立の環境)で所有しており、レンタルする部分はhttpd+php(+perl,sendmail...)くらいで構わないため、本来の目的としては、データベース部分をレンタルサーバから切り離すことにありました。

もちろん、自分の手元にはデータベースサーバのみならずウェブサーバもメールサーバも用意していますから、ドメイン自体を丸ごと移行することも出来るのですが、管理を分散させておきたいこと・ITサービスでは最も数が多いであろうサーバホスティングビジネス環境を知っておきたいことなどが理由で、レンタルサーバを借りておくことにしました(※他のホスティングサービスともいくつか契約しています)。

移転の手順としては、

  1. 移転先サービスとのレンタル契約を締結
  2. 移転先サーバへデータを移し、動作の十分なチェック(.htaccessなど)
  3. 移転先サーバの設定(メールアドレスの設定など)
  4. 現在のMySQLテーブルのダンプとリストア
  5. MySQLバージョンの差異吸収(※借りていたのはMySQL4・自前の方はMySQL5なので、2バイト文字コード周りなど)
  6. MySQL接続先サーバを指定しているスクリプトの書き換え
  7. DNS情報の変更(※新ホスティングサービスへの依頼)
  8. DNS情報の伝播まで移転元・移転先の二重チェック
といった流れとなります。もちろん、各ステップには更に細かい点が含まれるのですが、大まかにはこのような点に注意しました。

ところで、移転先のサーバ管理ツールには、Pleskというソフトが使われています。当方は始めて触りましたが、どの辺りのレベルの利用者層をターゲットとして想定し、実際にはどういった利用がされているのだろうかと考えました。MovableTypeなどもそうなのですが、IT屋が作った管理ツールは、どうもIT屋の目線で設計構築されているため、広く使う層に対しての思い切った絞込み等には中途半端な設計思想があるように思います。移転先のサーバではウェブホスティング契約者にPleskを提供していますが、何も分からない人には全く使わない機能ばっかりだし、CGIなどの駆け出しの人にはそもそもサーバの設定の方が重要なので、Pleskでは何だか良く分からなかったりカバーできない部分のほうが多いと感じられるでしょう(※こういう点は結果としてサポートに負担を与えるのですが…)。そして当方のように、ウェブサーバの動作も自分できっちり設定したい・ログもきちんと管理したいなどの場合には、Pleskは中途半端な管理ツールにしか映らず、自前のサーバにログインして色々やれた方がどれだけ楽か…と嘆息することになります。実際にPleskをどういった企業が導入しているのかを調べるには至りませんでしたが、こういった点から考えてみると、Pleskはサーバ群を管理するような業務における社内ツールのような利用を想定しているのかな?と思えました。当方はアクセスログの管理やコンテンツマネジメントをまめにやりたかったので、外部から移転先のサーバに接続するプログラムを組み、ログを引き上げたり各種の制御を行うプログラムに、外部のトリガから指示を渡して行わせるようにしました。よって、今後は当方がPleskのコントロールパネルにアクセスすることはなさそうです。

この系統の管理ツールで当方が最も良くお世話になっているのは、なんといってもphpMyAdminです。MySQLにログインしてSQLを打ち込むよりは圧倒的に楽なので、必須とまでは言いませんが、データベース全体を見通したり検索などを行う際には重宝しています。

ところで移転先のホスティングサービスでは、コスト削減の多くを徹底した人件費の削減から求めているようです。そのことは、迅速なサポート・サポート内容に対する期待値が低いであろう事を意味します。もちろんその点は、当方としては契約締結前に織り込み済みですから構わなかったのですが、ヘルプの不備によってCGIなどの設定環境が自分で試行錯誤してみなくては良く分からなかった点・Plesk導入によってディレクトリ名の付け方などに制限が生じている点などは後からわかったことで、この辺もコスト削減の作用として妥協しなくてはならない点なのかもしれないと思いました。

現在は、どんな事業区分でも「コスト削減と価格低下による競争力の向上」がお題目のように唱えられている経済環境ですが、もう少し時代が進むと、販売やサポートにおける高いヒューマンスキル(※知識も技能も人間性なども)が、付加価値ではなく商品やサービス自体の価値と等価のレベルにまで引き上げられてくるのではないかと思っています。もちろん対価は高コストにはなりますし、この間には顧客関係のあり方・顧客に想定する社会的適応レベルなどの要素が存在しますが、「人の与えるサービスとスキル」は、今後のビジネスにおける鍵になるのではないかと思います。現状ですと「お客様は神様です」と言う意識が顧客にはありますので、お金を払っている以上は無料サポートは受けられて当たり前・神様である以上、企業側はお客様の言うことを全て平身低頭して聞くのが当たり前という感じになります。逆に、企業からの視点で見れば顧客は売上を構成するファクターに過ぎませんから、商品開発にせよサポートにせよ、数字が納得するラインに注視します。それほど単純でも簡単な話でもないのですが、お客の求めるものと企業の求めるものの乖離といいますか、顧客と企業間の良い顧客関係や信頼関係が希薄な状態に今のビジネス環境があるのでは…?という気がいたします。食品偽装問題もクレーマーも、この辺りの範疇に入るのでしょうか。

低価格であることよりも、充実したサポート・満足の行くやり取りなどが価値を創出する。資本主義の持つ本質的な欲求・現在の販売価格下げ競争のトレンドを見ると到底信じられる事ではないのですが、資源の問題や最終的な競争力の平坦化による行き詰まりを打破するポイントは、「人」に求められていくのではないだろうか?と考えています。そして、そういったビジネスの取り組みとあり方は、今の日本ではダメかもしれませんが、将来の日本では非常に適しているかもしれません。

後半、全くサーバの移転とは関係ない話になりました。

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